〒963-8061 福島県郡山市富久山町福原字境田50-2
郡山市役所から『市民の方から郡山市が管理する ため池で「散歩中に犬がスズメバチに襲われた」というクレームが入っている。すぐに駆除してほしい』との緊急駆除を要請されました。9月下旬のことです。
現場は、ため池ではあるものの貯水された水はなく、ため池全面に雑草が生い茂っていました。オオスズメバチが出入りしている場所は、道路沿いにありました。
オオスズメバチが出入りする一隅だけが雑草がなく、むきだしになっといる地面に大きな穴が開いているように見えます。
よく見ると腐ってボロボロになった樹木が土中に埋もれていて、そこからオオスズメバチが出入りしているようです。
オオスズメバチは腐った樹木の下にある土中に作っていました。
現場の状況も確認し、段取りも考え終えて駆除を開始します。
オオスズメバチの巣を駆除するときに安全のために気を付けていることがあります。オオスズメバチの毒針は他のスズメバチと違って長いため、いつもは用心して作業服を着たままで、その上に防護服を着るようにしています。
ところが、この時にかぎって現場状況を甘く見てしまいました。御法度にしていた「作業服を脱いで防護服を着る装い」でオオスズメバチの巣を駆除していました(これがオオスズメバチに刺された最大の原因です)。
オオスズメバチは腐った樹木の下にある土中に巣を作っていました。先ずは、オオスズメバチが出入りするところから殺虫剤をスプレーします。
スズメバチが出てこなくなったところで、地面に右ひざをつけた姿勢で巣の掘り出し作業に取り掛かりました。
ところが、蜂の巣を掘り出そうとして地面に右ひざをつけた瞬間、ひざに経験したことがない激しい痛みが走りました。
たまたま地面にいたオオスズメバチの体に右ひざが載った瞬間に刺されました!オオスズメバチの長い毒針が防護服を貫通したのです。
オオスズメバチは、他の種類のスズメバチが持っていないマンダラトキシンという神経毒を持っています。そのためかオオスズメバチに刺されるとスズメバチの中では、最も激しい「ズキーン」とくる痛みが走り、その後「ズキズキ」という強い痛みが長く続きました。
駆除を中止して、駆除に同行している妻に応急処置をしてもらいました。
防護服を脱いで、刺された右ひざの状況を確認しました。オオスズメバチに刺された部分が血がにじんでポチっとなっていたので、すぐに刺された傷口がわかりました。
オオスズメバチに刺されると、傷口からのにじんでいる血液の量は、過去に刺されたことがあるキイロスズメバチやキアシナガバチの場合よりも明らかに多いです。過去に私がジャンバーの上からキイロスズメバチが刺された直後の症状と防護服の上からオオスズメバチに刺された直後の症状を写真で紹介します。
「スズメバチに刺されると毒針が残っているので、先ずは毒針を抜くこと」と言われることがあります。ところが、スズメバチに刺されたとき、毒針が残ることは ほとんどありません。
刺された部分にスズメバチの毒針が残るときは、刺しているスズメバチを強引に払いのけることによって、毒針がついている腹部末端を残してスズメバチの体を切り離してしまうからです。
この時は、オオスズメバチを払いのけることもなっかったので、刺された部分には残っていませんでした。
応急処置は、注入された蜂毒が体を駆け回らないうちに刺された直後に行う必要があります。
先ずは、指で刺された部分をつまんで蜂毒を絞り出すか、あるいはポイズンリムーバーという道具で蜂毒を吸い出します。
この時は、携帯しているポイズンリムーバーを使いました。
この道具を使って傷口を吸い出すと蜂毒を含む血液などの体液が皮膚の表面に出てきます。
それを携帯しているペットボトルに入れた水で洗い流します。
(注)蜂毒は、水に溶けるので、水で洗い流すことは有効です。
この処置を数回くり返しました。
さらに、ここで傷口を氷で冷やせば、驚くほどの痛みがやわらぎます。
残念ながら、この時は、氷を携帯していませんから、痛みに耐えるのみでした。
刺されてから1時間後には、刺された部分の周囲が腫れて赤くなっていました。
翌日には、赤くなった腫れはあったものの痛みは軽減していました。
刺されてから2日目以降は、オオスズメバチに刺されたことも忘れるほどになりました。
万が一アナフェラキシー症状が出たら 次にどういう行動するかを考えながら、刺されてから 30分間ほど安静にしていました。
アナフェラキシー症状もなかったので、今まで味わったことがないオオスズメバチに刺されたズキズキする痛みに耐えながら駆除を進めました。
オオスズメバチに刺されたことで ちょっとトラウマになりながらも 蜂の巣の取り出し作業を続けます。
9月下旬のオオスズメバチの巣ですから次の世代をになう新女王蜂も羽化が始まっていました。オオスズメバチにとっては、活動最盛期で もっとも大事な時期を迎えていた巣でした。
それを裏付けるように撤去した蜂の巣を見ると白い繭をかぶる蛹が目立ちました。
いつかは刺されると思っているオオスズメバチに ついに刺されてしまい、さすがにショックです。その原因もオオスズメバチを甘く見て、普通はやらない御法度な服装で駆除を始めてしまって刺されたと反省するばかりです。
オオスズメバチに刺された現場での応急処置をしている様子を You Tube に投稿して紹介しています。
『郡山市でスズメバチ駆除- オオスズメバチに刺された現場! 応急処置!』
オオスズメバチに刺されると、かさぶたのような傷口が後々まで残る深い痛手になるのが普通です。ところが、私の場合は痛みが何日も続くこともなく、また傷口が残らない軽傷でした。
私の経験からすれば、素肌を直でスズメバチに刺されるよりも着衣の上から刺される場合の方が、はれや痛みが軽く、治るまでの期間が短いです。
防護服を着ていたことから刺された傷口が浅く、毒針から放出された毒も防護服に遮られて身体への注入量が少なかったと思われます。また、刺された直後にポイズンリムーバーを使った応急処置もかなり効いたようです。
オオスズメバチに初めて刺されましたが、アナフィラキシー症状にもならずに、「痛い」「はれた」で済みました。
【学んだこと:その1】オオスズメバチ駆除では毒針の長さを考慮した服装でないと毒針が届き刺される。
オオスズメバチの駆除では、防護服だけでは毒針が貫通してしまうのだということを、この事例で初めて経験しました。オオスズメバチの毒針は長く、防護服を貫通することがあると用心していたことは大当たりでした。
2度とオオスズメバチに刺されたくないので、これからは作業服の上に防護服を着ることにします。
【学んだこと:その2】オオスズメバチに刺されると他のスズメバチやアシナガバチとは比較にならないぐらい痛いことを体感しました。
「オオスズメバチの刺されるとうずくまるほど痛い」という うわさは本当でした。
スズメバチやアシナガバチに刺された傷口を氷で冷やす処置によってズキズキという痛みが驚くほど少なくなることを、これまでに何度も経験してきました。
特別に痛みが激しいオオスズメバチでも その処置による痛みの軽減効果を確認しました。
万が一、スズメバチやアシナガバチに刺されてしまったときは、ぜひ刺された部分を冷やしてみてください。
2008年の8月のある暑い夏の日に生まれて初めてキイロスズバチに刺されました。防護服を着用し、建設中のログハウスの天井に作られた巣に戻ってくるスズメバチたちを粘着板で捕虫していました。粘着板でベタベタになったスズメバチ駆除専用の右手袋をはずし、素手で粘着板を持ち捕虫しているときに右手を刺されました。
神社の屋根裏に作っていたキイロスズメバチの巣を確認する作業中に左腕を刺されなした。さらに、あわてたところで髪の毛にも潜られて軽く刺されました。初体験から2か月後に2度目の悲劇が起こりました。
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