〒963-8061 福島県郡山市富久山町福原字境田50-2
家の軒下などに作ったキイロスズメバチの巣を発見したとき、「今までなかったのに、いつのまにか、でっかいスズメバチの巣ができていた」という不思議な現象。
これには、キイロスズメバチが巣を引越しするという習性がかかわっています。あまりにも知られていないキイロスズメバチの習性です。
この引っ越しの習性は、春先に越冬を終えた女王蜂が土中や樹洞などの狭い閉鎖空間に作り始めた巣(「母巣」という)で起こります。
キイロスズメバチの引っ越しという習性と駆除法の概略を動画でご紹介します。
『郡山市でスズメバチ駆除- スズメバチが玄関の天井に引っ越してきた! 母巣はどこだ・・・』
土の中や朽木の中での越冬から春先に目覚めたキイロスズメバチの女王蜂は、単独で巣作りを始めます。キイロスズメバチの女王蜂は、土の中、壁の中、屋根裏など外敵からねらわれにくく、温度も保温されるような閉鎖的な場所に巣を作ります。
越冬から覚めたキイロスズメバチの女王蜂が作った巣は,閉鎖的な空間に小さな巣を作るため,ほとんど見つかりません。「ここに作っていたのか」とわかるのは、キイロスズメバチの巣がある程度大きくなって成虫になった働き蜂が頻繁に飛びまわるようになってからです。
春先のキイロスズメバチの女王蜂は、巣を作りながら卵を産み、卵からふ化した幼虫に餌を運ぶなど忙しい毎日を過ごします。幼虫が成虫になると働き蜂として女王蜂に代わりに巣作りと幼虫の世話をはじめます。一方、女王蜂は卵を産むことに専念してゆくという働き蜂との役割分担ができあがっていきます。
このようにして繁殖力が旺盛なキイロスズメバチの家族が増えて巣がだんだんと大きくなると、夏ごろには、ブロックの隙間・土の中・樹洞・換気扇などの閉鎖的な場所に作った巣は空間いっぱいになって手狭になってきます。
そうなると、たくさんのスズメバチが一斉に軒下などの開放空間に引越しが始まるので、見る見るうちに大きな巣になってゆきます。
これまで見てきた「こんな場所に作った巣は引っ越してた!」は・・・
「土中の狭い空隙」「換気扇の風洞の中」「ブロックの空隙」「構造上狭い空間になっている壁間」「野外放置された古タイヤの中」「逆さまに置かれた鉢」「長靴の中」「狭い樹洞」「石垣の隙間」「小鳥の巣箱」など・・・
そのような主な場所を以下に写真で紹介します。
田村市の墓地の土手の土中に作っていました。8月上旬になって、土中の空隙からはみ出すほど大きくなった巣は引越し中でした。このキイロスズメバチによりお墓に来ていた方が数人ほど刺されていました。このスズメバチの巣の巣盤は3段になっていました。
三春町で7月上旬、ブロック製の階段にある隙間からスズメバチが出入りしてブロックの中に巣を作っていました。この巣に女王蜂がいて巣の巣盤は3段になっていました。東日本大地震でブロックにヒビが入り隙間ができました。おばあちゃんが階段を降りようとしたときにキイロスズメバチに刺されてしまいました。
伊達市で7月上旬、風呂場の換気口の中にスズメバチが頻繁に出入りし、風洞内は巣で完全にふさがれた状態でした。まだ、この巣には女王蜂がいて巣盤は3段になっていました。風呂場の換気口は春先に暖かいために女王蜂が好んで巣を作るようです。
石川町で7月中旬、樹木の樹洞からスズメバチが出入りし、その狭い樹洞に巣がありました。引っ越しが始まったばかりの巣で、巣盤は3段になっていました。引っ越し巣は2階の軒下に作られ始まっていました。
キイロスズメバチの引っ越し巣と引っ越し前の巣の探索、そして駆除までを動画で紹介します。
『石川町でスズメバチ駆除- 軒下の引っ越し巣と引っ越し前の巣とを同時駆除!』
北塩原村で7月下旬、雑草で覆われた石垣にスズメバチが出入りするので雑草を除けると狭い空隙に巣がありました。巣盤は3段になっていて引っ越し中でした。石垣の草刈り中にキイロスズメバチに刺されています。
田村市で8月下旬、雑草に埋もれた古タイヤが出てきて、その中に巣を見つけました。巣盤は3段で巣は引っ越しの終焉を迎えつつありました。引っ越し巣は近くの建物の軒下にありましたが、駆除されていました。
白河市で7月中旬、物置にスズメバチが出入りしていたので、その中を調べると長靴の中の底から巣盤が3段出てきました。引っ越しが始まったばかりの巣でした。引っ越し巣は2階の軒下に作り始めたばかりでした。
物置の長靴からスズメバチの巣が出てきたのには驚きました。その時の様子を動画で紹介します。
『ビックリ!スズメバチの巣が物置の長靴の中に in 白河市』
コンクリートで斜面を璧状に覆い土砂崩れを防ぐ壁、擁壁の水抜き穴にキイロスズメバチが巣を作っていました(7月上旬)。狭い空間なので、家族が増えて巣がもう少し大きくなると引っ越しを始まる巣でした。
駐車場の生垣に設置した小鳥の巣箱にキイロスズメバチが出入りしていました(7月下旬)。小鳥の巣箱に穴が開いていて、その穴から出入りしています。
その巣箱から20mほど離れた階段の踊り場に引っ越し巣が作られていました。巣箱にあった巣は残っている幼虫や白い繭の蛹が少なく、間もなく引っ越しが完了するところでした。
東日本大震災で壊れた瓦の集積場所からキイロスズメバチが出入りしていました(7月下旬)。蜂の巣がどこにあるかわからず殺虫剤をスプレーしながら瓦をどけて探しました。すると鬼瓦の穴からキイロスズメバチが出入りし、その空洞内に巣を見つけました。
1階の軒下に作られ始まったばかりの小さな引っ越し巣がありました。引っ越しは、やっと始まったばかりでした。そのことは、鬼瓦にあった引っ越し前の巣(母巣)を見ても幼虫と白い繭の蛹がたくさん残っているのでわかります。
福島県では7~8月頃がキイロスズメバチの引越し期間で、この時期に軒下など開放的な場所に引っ越し巣を作ります。
「建物の軒下」は、最も多くの引っ越し巣が作られる場所です。「開放的な物置や通路などの建物の天井」、「ベランダ」、「外壁」、「橋の下」などにも引っ越し巣が作られます。
新たな巣の引越し先では、数十匹の働き蜂たちが巣を突貫工事で作り始めますから、アッという間に大きな巣ができあがってしまいます。
このようにして、「今までなかったのに、いつのまにか、でっかいスズメバチの巣ができていた」と多くの方が不思議に思うことが「キイロスズメバチの引っ越しという習性」で起こるのです。
いわき市で7月中旬、スズメバチがたくさん飛んできて玄関の真上の天井に巣を作り始めていました。巣盤は2段になって女王蜂による産卵が始まっていました。スズメバチが怖くて玄関から家の中に入れないのでリビングの窓から出入りしていました。
田村市で10月中旬、橋の中央部分の下に引っ越してきた巣は大きくなっていました。巣の中では、新女王蜂や雄成虫が誕生していました。
小野町で7月下旬、小野町にある中学校体育館の外壁の高所に奇妙な形の引っ越し巣を作っていました。巣の中で巣盤は3層になっていました。外壁に作ったものの、巣の重さでズリ落ちてきたのでしょうか。
7月下旬にスズメバチが「毎日、家に飛んでくるなぁ~」「山から来てるんだろう」と思い込んでいると、洗濯物干し場の天井にスズメバチの巣を発見しました。そこで、「かめん蜂(スズメバチのをこのように言う地域がある)の駆除を頼む」と福島県三春町の方から駆除の依頼がきました。
高台にある洗濯物干し場にあった巣は、つい最近になって引っ越してきたばかりのキイロスズメバチの引っ越し巣でした。ドンドン巣を大きくしているので外皮が薄く、働き蜂たちが頻繁に出入りしていました。
引っ越し巣は、直径10cm、巣盤は2段で巣内には女王蜂がいました。すべての子育てをする育房室は女王蜂が産んだ卵で満室になっていました。
キイロスズメバチの中には、高台にある洗濯物干し場の引っ越し巣から下の方に降りてゆくものがあります。もしかすると、下の方にキイロスズメバチの元の巣(母巣)があるかもと、下に降りてゆくスズメバチを目で追います。
すると、土手の特定の場所でスズメバチの姿見えなくなります。母巣は、おおよそあの辺と見当をつけて下に降りてゆき、その場で待ち構えてスズメバチが土手の斜面にある元の巣に戻るのを観察します。
戻ってきたスズメバチを観察していると、雑草で覆われている土手の1か所に集中して潜ってゆきます。さっそく防護服に着替えて雑草をかきわけて覗き込むと、母巣がありました。土手に木材が積み重ねられてできた空隙の奥にありました。
働き蜂たちは、引っ越し巣と母巣を頻繁に行き来して幼虫の世話をしていました。母巣から引っ越し巣までの距離は20mほどしか離れていませんでした。
母巣は、直径14cm、巣盤は3段で幼虫から蛹まで様々な発育段階のものがいました。羽化跡もあり、すでに次々と働き蜂が羽化している状態がうかがえます。もう少し時間が経てば働き蜂がブンブンとさらに飛び回ることになっていたでしょう。
キイロスズメバチの引っ越し時期には、母巣で羽化した働き蜂が引っ越し巣に次々に合流してきます。母巣にいる子供たち全員が羽化して働き蜂になるまで押し寄せ続けます。
引っ越し時期のキイロスズメバチ駆除は、引っ越し巣を駆除するだけでなく、母巣のスズメバチたちを何らかの方法で駆除する必要があります。
さもないと母巣で働き蜂が羽化するたびに引っ越し巣に押し寄せてくることになります。あるいは引っ越し先の巣が無くなって女王蜂もいないとなると集団の統制がとれなくなり、行き場を失った働き蜂はそこら中を無秩序に飛び回ることもあります。
キイロスズメバチの引っ越しの時期の駆除は、母巣と引っ越し巣を同時に駆除することが理想です。キイロスズメバチの母巣は、引っ越し巣からそんなに遠くないところで見つけられるはずです。
ところが、母巣は見つけにくい土の中や木の樹洞の中などの閉鎖的な空間に作っています。キイロスズメバチの母巣を見つけようとしたら、たいへんな労力と時間が必要なことも現実です。
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