三春町にある城山公園の東屋の天井にスズメバチの引っ越し巣!

三春町にある城山公園の東屋の天井にスズメバチの巣があるので緊急に駆除してほしいと三春町役場からスズメバチ駆除の緊急要請がありました(2024年7月9日)。直ちに城山公園に向かいました。東屋の天井に巣を作っていたスズメバチは攻撃性の高いキイロスズメバチです。しかもキイロスズメバチの引っ越し巣です。キイロスズメバチには引っ越しする習性があります。越冬を終えた女王蜂が土中など狭い空間に作った巣(母巣と言う)が家族が増えて手狭になると、軒下などの開放空間に集団で引っ越しをします。母巣と引っ越し巣を同時に駆除しないと巣を再生する可能性が高いのです。そのため、引っ越し巣を駆除する前に母巣を探しました・・・
スズメバチが巣から飛び立つ方向で大元の巣(母巣)を推定するが

母巣を探すには、引っ越し巣から飛び立つスズメバチがどの方向に最も多く行くかを見定めます。引っ越し時期の初期の働き蜂は、引っ越し巣と母巣を行き来します。母巣の幼虫の世話と老熟幼虫との栄養交換のためです。最も飛び立って行く方向に母巣がある可能性が高いです。この日は雨だったことや巣が小さいこともあって、あまり働き蜂が動きません。引っ越し巣から半径30mほどの中に母巣があります。東屋周辺の母巣がありそうな場所を探しますが、なかなか見つかりません。
スズメバチの引っ越し巣の駆除と撤去


,数時間かけて母巣を探しましたが、見つかりませんでした。あきらめて東屋の天井の引っ越し巣を駆除することにしました。殺虫剤を巣穴から注入し、ネットで巣を撤去しました。まだ引っ越し巣は作り始めて間もないので、巣は天井から簡単に はがれて撤去できました。
撤去したスズメバチの巣を解体して観察

撤去した巣を解体すると巣盤は1層で、その中の育房室は卵と若齢幼虫で満室でした。この発育状況から引っ越して10日くらいと推定しました。女王蜂も巣の中から出てきました。女王蜂を駆除しても働き蜂だけで巣を再生し、働き蜂が卵も産みます。ところが働き蜂が産んだ卵は成虫になるとすべて雄になります。そのため、結局は繁殖できずに巣は衰退していきます。
巣跡に戻るスズメバチ対策

巣を撤去した巣跡にはスズメバチを捕虫した粘着板を吊るしました。巣跡に戻ってくるスズメバチは捕虫されたスズメバチに誘引されて粘着板に捕まります。その習性を利用して巣跡に戻ってくるスズメバチ対策としています。
キイロスズメバチの引越し最盛期の駆除は、母巣と引っ越し巣を同時に駆除しないと巣を再生される可能性があるなど厄介です。母巣は見えない場所に巣を作るので、なかなか見つけることができません。キイロスズメバチは、最も厄介なスズメバチだとするのは、わたしだけなのでしょうか。