留守宅の生垣に作っていた昨年のスズメバチの巣

「郡山市の留守宅の生垣に蜂の巣があると近所の方から連絡があって、今その様子を現場に見に来ている」と留守宅の親戚の方から電話がありました。「長居ができないので、すぐに対応して欲しい」とのことですぐに現場に向かいました(2024年5月20日)。生垣に作っていたのは、昨年のコガタスズメバチの巣で直径15cmほどで小ぶりでした。近所の方が昨年中に巣を見つけていたのか、今年になって昨年の巣を見つけたかは不明です。
生垣に作っていた昨年のスズメバチの巣を解体

生垣に作られていた昨年のスズメバチの巣は空っぽのはずと、直ちに撤去しました。もし、この巣が今年の巣であれば、まだ逆とっくり型の巣のはずです。直径15cmほどの大きさになっているわけがありません。撤去した巣を解体すれば、昨年の巣の中には 当然スズメバチはおらず空っぽでした。
他の場所に蜂の巣があるかもしれないので、留守宅の周囲を見回ってみることにします・・・
留守宅の庭木に作っていた逆とっくり型のスズメバチの巣

留守宅の周囲を親戚の方と見回っていると、庭木の枝葉に隠れた逆とっくり型の巣を親戚の方が見つけました。意外と簡単に見つけたので、ちょっと驚きました。一度でも巣が目に入ると、周囲の光景に溶け込まない逆とっくり型という特異な形をしているので見つけやすいのでしょうか?!
逆とっくり型の巣の正体と枝葉に隠れた蜂の巣を見つけるコツ

逆とっくり型の巣は、越冬を終えたコガタスズメバチの女王蜂が単独で作り上げたものです。越冬を終えた女王蜂が単独で作り上げる巣の形状はスズメバチの種類によって異なります。女王蜂は2週間ほどで逆とっくり型の巣を作り上げます。逆とっくり型の巣の細い筒部分が残っている限りは、巣の中にいる成虫は女王蜂だけです。一方、最初に成虫になって出てきた働き蜂は細い筒の部分をかじり取って巣を丸く整形します。つまり、丸くなった巣では、その中にいる成虫は女王蜂だけでなく働き蜂もいるということになります。
庭木・生垣・樹木などに作ったコガタスズメバチの巣は枝葉に隠れて見つけにくいです。ましてや、成虫が女王蜂 1匹しかいない逆とっくり型の巣となれば なおさらです。このような巣を見つけるコツはスズメバチが やたら飛んでいるなぁと思ったら、スズメバチの行方を追うことです。込み入った枝葉の中にスズメバチが入っていくようであれば、そこにスズメバチの巣がある可能性が高いです。
5月中旬でコガタスズメバチの逆とっくり型の巣内の発育状況

5月中旬、コガタスズメバチの逆とっくり型の巣内では、どれほどの発育状況になっているでしょうか?
撤去した巣を解体してみると、最も発育が進んだもので脱皮を数回ほど繰り返した中塾幼虫でした。働き蜂が成虫になって出てくるまでは、まだしばらくかかりそうです。6月中旬頃には働き蜂が成虫になって出てくるのではないでしょうか。