〒963-8061 福島県郡山市富久山町福原字境田50-2
福島市で土蔵の軒下にスズメバチの集団が巣を作り始めていた。昨年も同じ場所に大きなスズメバチの巣が作られた。
「一度あることは二度ある、今年も蜂の巣が作られるかも」と監視をしていた。「勘が的中して今年も数日前からスズメバチたちが集団で巣を作り始めた」とのこと。
「昨年のように巣が大きくなる前に駆除してほしい」とご依頼を受けた。
「この軒下の蜂の巣はキイロスズメバチの引っ越し巣」「引っ越し前の巣(母巣)が近くにあるはず」とお伝えして現場に向かった(福島市、2019年7月20日)。
山林を背負うような場所に土蔵はあった。蜂の巣を作っていたスズメバチはキイロスズメバチだった。
蜂の巣は野球ボールほどの大きさで、まさしく作り始めたばかりだった。スズメバチたちがひっきりなしに軒下の巣に出入りしている。
キイロスズメバチは引っ越しをする習性がある。越冬を終えたキイロスズメバチの女王蜂が土の中などの狭い空間に巣を作り始め、そこが家族が増えて窮屈になると軒下などに引っ越しを始める。
この土蔵の軒下にある蜂の巣はキイロスズメバチの引っ越し巣である。その引っ越し巣の近くには、女王蜂が作り始めて大きくなった引っ越し前の巣(「母巣」という)が必ずある。
厄介なことに引っ越したばかりの蜂の巣を駆除しただけではスズメバチ駆除は終わらない。母巣もきちんと駆除しないと、母巣で成虫になったスズメバチたちが再び引っ越し巣を作ることがあるからだ。
引っ越し巣では、スズメバチたちが「巣材を取りに行く」「幼虫に食べさせる餌を取りに行く」行動をする。さらに引っ越し時期のスズメバチたちは母巣と引っ越し巣を交互に行き来する行動もする。
そのため、それぞれのスズメバチたちがどこに向かって飛んで行くかを突き止めれば母巣に行くものもいる。この引っ越し巣からスズメバチがどの方向に飛んで行くかをひたすら観察する。
観察していると、山の上の方まで飛んでゆくものもあるが、土手の方に飛んで行くスズメバチが気になった。その土手に近づいて観察するとピンポイントでスズメバチが出入りするところがあった。
そこに引っ越し前の巣である母巣があると確信した。母巣は、モグラが掘った土の中のトンネルに作ることが多いからである。山林を背負うような場所に土蔵はあった。
先ずは、土手の草やぶに隠れた巣を探すために防護服に着替える。キイロスズメバチは巣に近づいただけで敏感に反応して攻撃してくるからだ。
スズメバチの出入りを観察しながら土手の草をかき分けて巣への出入り口を探す。しばらく探し続けると、モグラが掘ったような穴からスズメバチの出入りを確認した。
キイロスズメバチは土を掘ってまで地中にハチの巣を作ることはなく、モグラが掘ったトンネルのような自然にできた空間を利用する。土を掘ってまで巣を拡張するのは、オオスズメバチである。
外出から戻ってきたスズメバチが警戒して巣の中に戻ろうとせずに周囲を飛び回る。まだ、攻撃はしてこない。
地面をたたいて巣を刺激してみる。何も反応がなく、外にスズメバチが出てこない。かなり地中深くに蜂の巣があるのだろう。
先ずは、スズメバチが出入りする穴から地中の蜂の巣に届けとばかりに殺虫剤をスプレーする。
すると、あちらこちらから煙のようにスプレーした殺虫剤が噴き出てきた。モグラが掘ったところが網目のようなトンネル状になっているのだろう。
続いて巣を撤去するための掘り出し作業にかかる。スズメバチが出入りしていた穴から掘り始め、10cmほどの深さまで掘り進めた。
すると、スズメバチたちの羽音が聞こえてきて、スズメバチたちが飛び出してきた。すかさず掘った穴の中に向けて殺虫剤をスプレーする。
よく観察すると、そこにスズメバチの巣が見え、トンネルをふさぐように作られた蜂の巣が見えた。それを手で掘り出した。
掘り出した巣は直径15cmほどで巣盤は3層になっていた。巣には多数の幼虫と白いまゆをかぶったサナギがいた。
スズメバチたちが行き来する都合からか、引っ越し巣は母巣から近い場所にある。この現場では、両巣の間の直線距離は30mほどであった。
母巣を駆除したのちに土蔵の軒下の引っ越し巣を駆除した。
引っ越し巣は高さ7mほどの軒下にあったけれど、まだ10cmほどと小さな蜂の巣なので駆除は難しくなかった。
作られ始まったばかりの引っ越し巣は、巣盤が3層で、どの層も卵で満室になっていた。女王蜂は引っ越し巣の中から出てきた。
引っ越しが始まると、早々に女王蜂は引っ越し巣に移動して、作り始まったばかりの巣に片っ端から卵を産み始める。
この引っ越し時期のキイロスズメバチでは、引っ越し巣にいた女王蜂を殺したとしても巣が再生されることがある。
母巣で成虫になったスズメバチたちが女王蜂がいなくなっても再び巣を作り始めるのだ。
そのため、引っ越し時期のキイロスズメバチの巣は引っ越し巣だけを駆除しても母巣も駆除する必要がある。
ところが、母巣は、この現場では見つけたが、どんなに経験を積んでも確実に見つけることはむずかしい。
なお、キイロスズメバチの引っ越しが行われる時期は7~8月である。
土蔵の高所の軒下にキイロスズメバチの引っ越し巣が作られ始めていた。その引っ越し前の巣(母巣)を土手に見つけて母巣の駆除・撤去を行う経過を詳しく撮影した。
また、母巣から引っ越し巣までの距離や蜂の巣を解体した様子などを一連の動画で紹介する。
「福島市で蜂の巣駆除- 軒下に作り始めた蜂の巣駆除!それだけでは終わらない!」
これから土手の草刈り作業を行おうとした直前のスズメバチ駆除だった。この土手にあった母巣を駆除しなかったら、草刈り中に刺されたかもしれない。
草刈り作業中にスズメバチの刺される事故が多発する。それは、この現場のように土手に作られたキイロスズメバチの母巣が原因であることが多い。
キイロスズメバチの引っ越したばかりの巣の駆除は小さいので、容易にできる。しかし、そこには引っ越しするというキイロスズメバチの面倒くさい習性がからんでくる。
引っ越しが始まると女王蜂も母巣を出て引っ越し巣に移動する。この引っ越し巣にいる女王蜂を殺せば蜂の巣の駆除は終わりではない。
引っ越し時期の母巣には、この事例のように幼虫やサナギがいっぱいいて、それが成虫になるごとに引っ越し巣に集まってゆく。
キイロスズメバチの引っ越し時期の駆除では、母巣も駆除しないと女王蜂が死んだとしても母巣で成虫になった働き蜂たちが引っ越し巣を再生することがある。
女王蜂が引っ越し巣に移る前、母巣で最後に産んだ卵が羽化して成虫になるまでに約1か月かかる。
だから母巣の全てのスズメバチが成虫になって空っぽになるまで引っ越し巣への移動が1か月ほど続くことになる。
引っ越しから1か月もたてば、引っ越し巣も巨大化して、爆発的に羽化したたくさんの成虫たちも加わってブンブンと激しく飛び回る光景になっている。
このような時期になれば、母巣は空っぽになっているので引っ越し巣の駆除すればよいことになる。
キイロスズメバチの引っ越し時期である7~8月は、駆除が厄介である。
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