〒963-8061 福島県郡山市富久山町福原字境田50-2
福島県福島市でベランダの軒下の角に赤ちゃんの頭ほどのマーブル模様の蜂の巣があるとお問いあわせがあった。
電話で状況をお聞きし、見積り額を提案して了承された。
直ちに現場に向かうことに(2018年8月15日)。
2階のベランダの軒下のちょうど角に直径15cmほどのキイロスズメバチの巣がある。
スズメバチの出入りは、それなりにある。この巣は間違いなくキイロスズメバチの引っ越し巣である。7月に近くから引っ越してきて新しく作った巣だ。
キイロスズメバチには引っ越しする習性がある。越冬を終えた女王蜂が作り始めた巣(母巣という)が家族が増えて手狭になると近くに新しい巣を作って家族が引っ越すのである。
引っ越し巣は、たくさんの働き蜂たちで作るのでミルミルうちに大きくなる。
母巣に幼虫やサナギで残っていた働き蜂が羽化して成虫になって出てくると、引っ越し巣に集合してくる。
このような引っ越し巣への集合は、母巣で働き蜂の羽化が終わるまで続く。
引っ越し巣を駆除しても、幼虫やサナギが残っている母巣が残っていると、それらが次々に羽化して成虫になると、再び巣を作り始めることがある。
キイロスズメバチの引っ越し時期の駆除は、母巣と引っ越し巣を同時に駆除する必要がある。
先ずは、家の付近にキイロスズメバチの母巣を探した。
あちらこちらと探したが、見つけることができなかった。母巣は簡単には見えない所に作ることが多く、探し出すのが難しいことが多い。
次は、軒下の引っ越し巣の駆除を開始する。
ベランダに上がらせて頂き、脚立を使って引っ越し巣を駆除することに。スズメバチに気づかれないように、ソッーと脚立に上がって巣穴に近づく。
巣穴の至近距離にきたら、ためらわず巣の中に殺虫剤を確実にスプレーする。すると、スズメバチたちの羽音が一斉にゴーゴーという轟音となって巣の中から聞こえてくる。
この羽音が静かになったところで、巣の撤去をする。
撤去した巣は、4層だった。その4層のうち、大きい2層は白いまゆをかぶるサナギで一杯になっていた。
引っ越し巣の中で成長が早いものと母巣の中で成長が遅いものの発育ステージが一致するはずである。
この引っ越し巣の中で成長が速いものがサナギだったので、母巣の中で成長が遅くて残っているものはサナギだけであることを意味する。
巣を撤去した巣跡には、外出から巣に戻って来たスズメバチと母巣で羽化して成虫になって集合して来たスズメバチでごったがえしている。
これらのスズメバチたちをしっかり駆除しないと再び巣を作られることがある。この巣の女王蜂もしっかり駆除したが・・・
スズメバチの巣の女王蜂を駆除すれば、もう巣は再び作られないと思っている方も多い。
ところが、女王蜂を駆除したとしても、生き残った働き蜂だけで巣を再び作ることがある。女王蜂がいない巣では、働き蜂が卵を産むようなる。
ただし、その卵から育ち羽化して出てきた成虫はすべてオスになる。オスは産卵できないから、その巣は継続して営巣できずに終わってしまうのだが。
再び巣がつくられないように、駆除を免れて巣跡に来るスズメバチたちを駆除するために独自の方法で対処している。
駆除した引っ越し巣は、4層のうち大きい2層がまっ白いまゆをかぶったサナギで埋めつくされていた。
いまサナギであるものが2週間以内には、ほとんど羽化して成虫になって出てくる。そうなっていたら、どうなっていただろうかと、ちょっと想像してみたが・・・
「福島市でスズメバチ駆除- ベランダの軒下の角にスズメバチの引っ越し巣!」というタイトルでYouTubeで公開している。
キイロスズメバチの引っ越し巣は、これを駆除するだけだったら難しくはない。ところが、引っ越し巣の背景にある母巣があるので、引っ越し時期のキイロスズメバチの駆除は容易ではない。
このキイロスズメバチの引っ越しという習性をきちんと知っている方は少ないと思う。この生態を知っていれば、キイロスズメバチに巣を作られた時に、いろいろと得することも多いのだが・・・
これからも、さまざまなハチの習性を情報としていろんな方法で伝えることを使命としてゆきたいと思う。
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